虹って半円に見えるけど、本当は円形なんです。しかも2つあるんです。
人間の目に見える光
人間の目で見える光のことを「可視光線」と言います。
光は色によって波の長さが異なり、この波のことを「波長」と言います。
波長によって、人間の目には赤や黄色や青色など、違う色に見えますが、
普段はあらゆる波長の光が混ざっていて、人間の目には白に見えています。
虹の現象は?
雨上がりに太陽が見えてくると、虹が見えることがあります。
これは太陽の光が、空気中の水滴の中入り、屈折と反射をすることによります。
ちょっと難しくなってきますが…
波長によって屈折や反射の角度が異なるので、あらゆる波長が混ざって白く見えていた太陽光が、水滴を通ると異なる色に分解されます。
異なる色に分解された様々な光が人間の目に届くため、虹として見えるようになるわけです。
ほんとは円形?
さらにちょっと難しくなります。
波長によって屈折や反射の角度が異なると言いましたが、光が届く場所にちょうど人間がいないと、人間の目に虹としては見えません。
そのため、人間が光を見る角度・人間の位置も虹が見えるための大事なポイントになります。
図のように、太陽光は水滴に入ると40~42°の角度で屈折・反射します。
人間の目から考えると、太陽光線に対して42°の円錐面に沿って円形に虹ができることになります。
しかし実際には地面から見ることがほとんどなので、円形の下半分は地面と重なり見えなくなるため、半円の虹が見えているわけです。
もし空から見ることができれば、地面が邪魔することはなくなるので、円形に見えるようになります。
虹は2つある
さらに言うと、虹は実は2つ見えています。
人間の目に見えているのは主虹で、その外側にもうひとつ副虹というのが同時に見えているはずです。
これは主虹を作る光よりも、水滴の中で多く反射したことで少し主虹とはずれた方向に光が出ていったためです。
反射が増えるとそのたびに水滴の中から光が漏れていってしまうので、副虹の光は弱く、人間の目には見えにくくなります。そのため気づかれないのです。
虹は7色じゃない?
実は虹の色は国によって異なります。
日本では、「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」の7色と言われますが、国によっては8色だったり、少ないと2色の国もあります。
光の原理は当然どこに行っても同じなので、見えている虹は同じものです。
それではどうして国によって色が異なるかというと、国によって色の表現や色に対する価値観が異なるなど、文化が違うためです。
例えば、一言で「青」と言っても、薄い青から濃い青までありますよね?それを「水色」「藍色」と別々に表現するか、ひとくくりに「ぜんぶ青!」と言ってしまうか、という違いです。
実際、虹の色はよくあるイラストのように7色が層になっているわけではなく、グラデーションのようになっているため、色の判別は見ている人の見方次第ということです。
それにしても日本人としては、虹が2色や3色に見えると言われると、さすがに「え…?」と言いたくなりますね。
まとめ
今日は虹の不思議について極力わかりやすくまとめてみました。
- 虹は太陽光が水滴の中で屈折・反射することによってできる
- 虹は本当は円形に見える
- 虹は2つ見えている
- 虹が何色に見えるかは、見ている人の色の感覚次第
参考
- ”雲・大気現象・大気光象について”. 国土交通省 気象庁.
- ””虹の日”に知るメカニズム”. ウェザーニュース.