子育ては、全ての親にとって大きな挑戦です。
しかし、その方法は国や地域、文化によって大きく異なります。
今回は、海外での子育てについて、特に“適当さ”に焦点を当てて紹介していきます。
異なる国々の子育て事情を知ることで、新しい視点を得られるかもしれません。
子育てへの姿勢の違い
子育てに対する姿勢は国によって大きく異なります。
まずは、海外と日本の子育てへの姿勢の違いについて見ていきましょう。
日本の子育て観
日本では、母親が子育てを一手に担うことが当たり前と見なされがちです。
「川の字で添い寝」や「手作り離乳食」など、母親の愛情表現と捉えられることも多くあります。
また、母親に高い期待を寄せるあまり、「いい母プレッシャー」と呼ばれる過剰なストレスを抱えがちです。
一方で、子育てに対する規範が細かく決まっている側面もあります。
例えば、子どもへの叱り方や接し方には、体罰は許されない傾向があります。
また、学校給食や行事への関与など、母親への期待も高いでしょう。
海外の子育て観
一方、海外では、子育てに対する柔軟な考え方が一般的です。
例えばフランスでは、手作りと市販のベビーフードを同等に扱い、母親の手抜きを許容する傾向があります。
また、ベビーシッターの活用も当たり前とされています。
スイスやアメリカなどでは、子どもへの怒鳴りや体罰を控え、論理的な接し方を心がける傾向にあります。
子どもの意見を尊重し、個性を大切にする姿勢が見受けられます。
子育ての適当さの違い
このような子育てへの姿勢の違いから、子育ての「適当さ」の捉え方も異なってきます。
日本では「適当」は避けられがちですが、海外では一定の「適当さ」が許容されています。
離乳食を段階的に進めるのではなく、大人の食事から柔らかいものを与えるなど、子育てに余裕がある様子がうかがえます。
子育ての環境の違い
子育てへの姿勢の違いだけでなく、子育ての環境そのものも国によって異なります。
環境が異なれば、子育ての仕方も変わってくるでしょう。
日本の子育て環境
日本の子育て環境は、まだ働く母親への理解が十分とは言えません。
妊婦に対する配慮が足りず、妊娠を理由に解雇されるケースもあるそうです。
保育園の確保も難しく、待機児童問題が深刻化しています。
一方で、保育園や学校での母親の関与が求められる傾向にあります。
PTA活動への参加や、学校行事でのボランティアなど、母親の負担が重くなりがちです。
海外の子育て環境
一方、海外の子育て環境は、母親に比較的理解があるようです。
アメリカなどでは、昼間から公園で子どもの面倒を見る父親が多く、男性の育児参加が当たり前となっています。
また、企業の文化としても、家族のライフスタイルの柔軟性が重視されているそうです。
ヨーロッパ諸国でも、子育てに理解のある環境が整っています。
スイスでは、子ども優先の社会で、子連れの親に優しい扱いがなされています。
保育園の柔軟な運営なども報告されています。
子育て環境の影響
このような環境の違いが、母親のストレスにも影響を与えています。
理解のある環境では、母親のイライラが和らぎ、子育てに前向きになれるようです。
一方、理解が足りない環境では、母親の負担が重くのしかかり、ストレスが高まる傾向にあります。
環境に起因する違いとして、海外では育児の外部サポートが充実している点も挙げられます。
ベビーシッターの活用や、両親の協力体制が整っていることで、母親の子育て負担が軽減されているのです。
子育てスタイルの違い
子育てへの姿勢や環境の違いから、具体的な子育てスタイルにも国による違いが生じています。
ここでは、子育てスタイルの違いについて見ていきましょう。
日本の子育てスタイル
日本の子育てスタイルは、細かい決まりごとが多いのが特徴です。
例えば、離乳食は段階的に進めることが一般的です。
また、しつけにおいても、怒鳴ったり叩いたりすることは避けられる傾向にあります。
一方で、母親の手作りへのこだわりが強く、育児本にも詳細な作り方が掲載されています。
手の込んだ料理を詰め込んだ「弁当」文化も日本ならではです。
また、母親が子育てを一手に担う傾向があり、家事や育児を完璧にこなすことが期待されがちです。
海外の子育てスタイル
一方、海外の子育てスタイルは、日本に比べて柔軟で、適当さが許容されています。
例えば、アメリカでは市販品の離乳食を与えることが一般的で、1歳を過ぎれば大人と同じものを食べさせるそうです。
ヨーロッパ圏では「ベビーレッドウィーニング」と呼ばれる、離乳食を始めてすぐから固形物を与える方法が一般的だとか。
また、家事や育児を適当にこなし、手抜きすることが当たり前とされています。
子育てスタイルの長所と短所
日本の子育てスタイルの長所は、細かい配慮ができる点にあります。
一方で、母親への過剰な期待から、ストレスがかかりすぎる短所もあります。
海外の子育てスタイルは、母親の負担が軽く、柔軟性があるというメリットがあります。
しかし、必要以上に適当になりすぎると、子どもの健全な成長を阻害するリスクもあるでしょう。
結局のところ、国や文化による違いはあれど、子どもの個性に合わせた上で、親自身が納得のいく子育てスタイルを見つけることが何より大切だと言えます。
海外ママの体験談
さて、ここまで海外と日本の子育ての違いについて概観してきました。
実際に海外で子育て経験のあるママたちの体験談も参考になります。
カルチャーショックを受けた体験
知人にもいますが、海外に移住して子育てをした子育てママからは、当初はカルチャーショックを受けたという声をしばしば聞きます。
例えば、赤ちゃんが食べ物を落としても気にしない、幼稚園のお弁当がスナック菓子など、バランスを欠いたものでOKなど、日本人から見れば驚くべき光景が多かいようです。
アメリカのスーパーで売られている派手な色のケーキを見ると、食文化の違いを感じますが、それも当然のことだと感じます。
また衛生面の価値観について考えると、公衆トイレの清潔さが一目瞭然です。
海外に行くと、日本の公衆トイレがどれほど清潔に保たれているか、日本人がいかに丁寧に使用しているかを実感します。
海外の子育てスタイルに共感した体験
しかし、そうした驚きを乗り越えると、逆に海外の子育てスタイルの良さに共感する人も多くいます。
例えば、アメリカの子育てスタイルは、無理に母親に任せきりにせず、家事や育児を外注することが当たり前とされています。
仕事と家族の時間のバランスが大切にされている点に共感する声が多数あります。
父親が子どものイベントに参加するのは当たり前という感覚があります。
また、フィンランドの子育てスタイルにも注目が集まっています。
発達の目安にとらわれず、一人ひとりの成長スピードを尊重する点が評価されているのです。
親が子どもの遊びに参加せず、自分の時間を確保することを大切にする姿勢からも学ぶべき点が多いようです。
自分らしい子育てを見つける大切さ
このように、海外での子育て体験を通して、日本のママたちは新たな気づきを得ています。
手作り離乳食や母親の子育て一手担いへのこだわりから解放され、手抜きできる楽さを実感した人も多いようです。
一方で、海外のスタイルを全面的に受け入れるのではなく、自分や家族に合ったスタイルを見つけることの大切さにも気づいた様子がうかがえます。
結局、子育ては国や文化を問わず、親自身が納得のいくスタイルを見つけることが何より重要なのです。
まとめ
今回は、海外と日本の子育ての違いを、特に「適当さ」に焦点を当てて紹介してきました。
子育てへの姿勢や環境、具体的なスタイルなど、様々な側面で大きな違いがあることがわかりました。
日本の子育てスタイルは細かい決まりごとが多く、母親への期待も高い一方、海外のスタイルは柔軟で適当さが許容される傾向にあります。
しかし、海外のスタイルを鵜呑みにするのではなく、自分や家族に合った子育てスタイルを見つけることが何より大切だと言えるでしょう。
子どもの個性に合わせた上で、親自身が納得のいく子育ての仕方を選ぶことが一番です!
柔軟な発想と、自分らしさを大切にしながら、楽しく子育てできることを望みたいものですね。