お天気雨が降ってきた、晴れてるのに…
お天気雨と言えば、狐の嫁入りって知ってる?
きつねのよめいり・・?
「天気雨」って?
暑くなったり、急に雨が降ったり、少し涼しくなったり、雨と湿気で最低な日もあったり…感染症もお天気も忙しい今日この頃。
お天気雨に出くわすこともたまにあります。
空はきれいに晴れているのに雨が降ってくることを、天気雨と我々は呼びます。
「狐の嫁入り」って?
広辞苑によると、
①狐火が多く連なって嫁入り行列の提灯のように見えるもの。
②日が照っているのに雨の降る天気。
広辞苑第五版(岩波書店)より
とのこと。では狐の嫁入り行列とはどいうことでしょう?
狐の嫁入り行列とは?
狐火というのは、いわゆる得体のしれない火の玉のこと。
狐や狸など、もともと人を化かす動物として考えられていることはよく知られていると思います。高畑 勲・宮崎 駿の『平成狸合戦ぽんぽこ』などで描かれていますね。そんな狐に関わる言い伝えです。
人間が出歩くはずのない夜の暗闇のなかに提灯(火の玉)が連なっている様子が、人間が嫁いでいくときの提灯行列に似ていたため、狐が嫁入り行列をやっているのではないか…とは昔の人は考えたのではないか、などと言われます。
天気雨をどうして狐の嫁入りというのか?
どうして「天気雨」を「狐の嫁入り」というのというと…
晴天なのに雨が降っているという怪現象は、狐に化かされているようだ…という例えから来ています。
他にも、狐の嫁入りの行列は見られてはいけないから雨を降らせている…など、地方によって少しずつ異なる考え方があります。
関西でよく言われる
ウェザーニュースが「2021年に晴れているのに雨が降るときの表現は?」というアンケートをとったようで、その結果を引用すると、全国集計では、
「天気雨」が54%、「狐の嫁入り」が44%
ウェザーニュース2021/7/16
やはり一般的な「天気雨」方が多いよう。しかし、地域別にみると…
関西では「狐の嫁入り」が83%と圧倒
ウェザーニュース2021/7/16
ということでした。「狐の嫁入り」は関西人に多く言われるようです。
東日本で生まれとしては「狐の嫁入り」が「お天気雨」という意味では正直あまり聞いた覚えがない…
と思いましたが、その感覚はそんなに間違ってはなかったようです。恐らく…。
狐といえば稲荷神社でよく見かけますが、稲荷神社は稲作の神様といわれるお稲荷さん(おいなりさん)をおまつりしています。狐はそのお稲荷さんのお使いだと考えられてきました。
関西でよく使われる理由として、京都に伏見稲荷大社という稲荷神社の総本宮があることも関係しているようです。狐の存在をより近くに感じているということなのですかね。
天気雨はなんで降るのか?
それではなんで降るのか? 狐に化かされているの?
実は無駄に気象予報士でもある私が簡単に解説します
そもそも雲は空に浮遊する小さな水の粒がたくさん集まることで目に見えているものですが、その水の粒が地上に落ちてくると雨になります。
空の水分が雨として地上に落ちてくるまで時間は、雲の高さや雨粒の大きさによって異なりますが、5~6分で落ちてきたり、もっとかかることもあります。粒が大きいほど落ちてくるスピードも速くなります。
お天気雨のように雲がないのに雨が降ってくるのは、地上に落ちてきた時点で既に雲になるほど水の粒がたくさん集まっていないか、もしくは雨として地上に落ちてくるまでの時間に上空の雲が風に流されて行ってしまったか、逆に雨の方が流されて違う場所から飛んできたか…などが考えられます。
なるほど、化かされているわけではないんだ
ちゃんと科学的な根拠があるわけですね。
まとめ
- お天気雨のことを狐の嫁入りともいう
- 地域によってはあまり使わないこともある
- 天気雨にはちゃんと理由がある
- 化かされているわけではない