気象予報士受験を思い立ってから約10か月。
実質学習期間 約4か月、勉強時間 トータル100時間程度、受験2回 で無事に合格できました。(受験2回のうち初回受験時は無勉強でトライ)
ちなみに筆者は理系ですが、天気に関しては初学です。ただし筆者は物理専門のため、物理が関わる一般知識の勉強にほぼ勉強時間を要しませんでした。
気象予報士の資格試験に合格するためには、一見すると膨大な知識が必要で、お金や時間もかかると思われがちです。
しかし、独学でも4か月という短期間で合格することは十分に可能です。
実際に私は、現役サラリーマンとして忙しい日々を送りながらも、この方法で合格を勝ち取ることができました。
ここでは、そんな私の4か月での合格体験をもとに、具体的な勉強方法や、役に立った参考書、そして過去問の効果的な利用方法について詳しく解説します。
どんな参考書を使えばいいのか? 過去問はどのタイミングで解くべきか? そして、毎日の勉強スケジュールはどのように組み立てればいいのか?
独学で極力費用をかけずに、時間に無駄なく気象予報士になるための勉強方法を紹介します。
気象予報士になるには?
合格率が低くて難しそうだけれど、難易度はさほどではない!
気象予報士資格とは
まず、気象予報士は国家資格です。
気象業務支援センターが実施する試験に合格し、登録を受けることで気象予報士になれます。
試験概要
年に2回(1月・8月)実施。
受験資格の制限なし。
試験は、学科試験(一般知識)、学科試験(専門知識)、実技試験。
学科試験はマークシート、実技試験は記述式で、各試験ごとに合格基準が設けられています。
詳細は、一般財団法人 気象業務支援センターのホームページで確認してください。
勉強時間
気象予報士合格のために必要な勉強時間は、一般的に800~1000時間と言われます。1年以上かかることもあるようです。
これはもともとの基礎知識によって勉強時間は異なるでしょう。
特に学科(一般知識)は物理学の知識が必要とされます。恐らく、大学受験で物理を勉強していればさほど困らない内容だと思われます。
筆者は物理専門のため、この学科(一般知識)の勉強にほぼ勉強時間を要さず1回で合格しました。
文系の方や物理を通ってこなかった方は、ここに時間がかかるかもしれません。
しかし文系の方や小学生でも、合格している人が実際にいます!
なので、物理の経験がなくても勉強すれば合格できる試験です。
合格率
公式ホームページで報告されている最近の統計を見ると、各回受験者数3000人前後に対して、合格者数が130~170人と、合格率4~5%程度。
比べるものではないですが、東京大学の合格率(30%程度)や司法試験の合格率(20~30%?)と比較すると、感覚的にはだいぶ合格率が低い印象です。
2回受験してみた個人的な印象ですが、試験会場には筆者のような見るからに理系な感じの人間のほか、キラキラ系(?)な女子も多数見受けられました。きっとお天気アナウンサーなどを目指すような方が結構な人数受験されているんでしょうか(勝手な想像です)。他にも登山をする方やパイロットは天気に詳しい必要があるので、勉強がてら試験をうける人もいるようです。
また先に述べた通り、受験資格に制限のない試験なので、子どもでも受験できるのも特徴です。なので小学生の気象予報士が存在します。
すなわち、なぜ合格率が低いかというと…
受験資格がなく受験者層が老若男女問わず幅広いことから受験者数が多くなる。
その結果、合格率が低くなる…という状況と思われます。
試験が特別に難しくて合格率が低い、というわけではないということです。

要は、合格率からイメージするほどの難易度ではない!ということ
筆者の勉強方法
ここでお伝えしたいことは…
- テキストは1種類(極力少なめ)で十分
- 1種類を極める
とういこと。
いたってシンプルです。
筆者の気象予報士受験歴
参考までに、筆者の受験歴です↓
ある日、天気関連の仕事が舞い込んできた

いっちょ気象予報士でもとってみるか…
思い立ったが吉日、ということで参考書購入するも数か月放置。
受験1回目(8月) ほぼ無勉強で受けてみたが、学科(専門)と実技は意味不明。
試験結果が出るまで、もちろん放置。
9月末合否通達 根拠なく受かった気でいたが…学科(一般)のみ合格し他は不合格

さすがに無勉強じゃダメですか…
10月~ 勉強開始。
受験2回目(翌年1月) 合格!
気象予報士受験を思い立ってから約10か月。
実質学習期間 約4か月、勉強時間 トータル100時間程度、受験2回 で無事に合格できました。
使った参考書
筆者はこちらの参考書3冊(一般知識編・専門知識編・実技編)を買いました。
そして、たったこれだけをひたすら使いました。
恐らく王道の参考書と思われます。
気象予報士かんたん合格テキスト<学科・一般知識編>
気象予報士かんたん合格テキスト<学科専門知識編>
気象予報士かんたん合格テキスト<実技編>
勉強時間
- 2回目受験の約4か月前から勉強開始
- 週1回2時間程度 移動中の電車内でテキストを読む(テキスト3冊を1周程度)
- 実技部分は、手を動かす & 実際の天気でシミュレーションを繰り返す
トータルの勉強時間は…
(週1日約2時間 + 実技演習3~4時間 + 実技シミュレーションを頭の中で繰り返す)×4ヵ月
= 100時間もないくらい?
勉強のやり方
勉強時間が短すぎて参考にならないよ!と知人に言われたことはありますが。
要は何が言いたいかというと…
たくさんのテキストを買いこむ必要はない。
テキストを1種類にしぼってしっかり勉強すれば、試験に合格するために必要な知識と実技スキルは十分に手に入るということ。
複数種類の参考書や教材をいくつも買って全部中途半端に勉強するよりも、ひとつの参考書をしっかりやりこむ方が、時間も無駄なく頭も整理されるのではないかと思います。
これは受験勉強や、その他のどんな勉強でも同様だと思っています。
1種類の本を使って、同じことを何度も何度もやります。毎回同じことで嫌になるけど何度もやります。

”ドМの修行”だと思っています
各試験ごとの対策
学科試験
教材を1つにしぼって繰り返し頭に叩き込む
学科試験(一般知識)は物理的な知識・思考が必要となります。
理系で、大学受験で物理を勉強していた方ならさほど苦しくない内容だと思いますが、そうでない方には難しいかもしれません。とはいえ、物理を経験していない文系の方や小学生などでも合格してるので、しっかりテキストを読んで学習すれば理解はできる内容だと思います。
学科試験(専門知識)は、気象に関する専門知識が問われます。これは単純に覚えるしかないです。
一般知識・専門知識のいずれにしても、テキストを繰り返し読み込み頭に入れるしか方法はないと思います。
暗記の方法は人それぞれだと思いますが、近道はありません。
しばしば複数種類の教材を併用する方を見ますが、テキストは1つにしぼった方がいいと思っています。
所詮、書いてある内容はどれも一緒です。
中途半端にあらゆるテキストに手を出して勉強するより、1つにしぼって読みこんだ方が効率はいいと思います。

”ドМの修行”です
実技試験
- 実技試験はどれだけケースを訓練したかが大事!
- 気象アプリと気象庁の天気予報を用いて気象予報のシミュレーションを繰り返す!
記述式なので特に勉強が難しい範囲だと思いますが、実技試験はどれだけケースを訓練したかがカギになります。
参考書などに載っている実技試験の演習問題はせいぜい数問程度ですが、日々の天気予報は毎日わかるので、やろうと思えば毎日実技演習ができます。
【実技試験のシミュレーションの方法】
| 気象アプリで天気図の一部を見る |
| ↓ |
| 解析してみる(前線の位置などを推測してみる) |
| ↓ |
| 気象庁発表の前線位置などと答え合わせ |
これを日々繰り返すことで実技の訓練ができます。
過去問のつかい方
参考書とは別に、試験の練習のために3年分程度の過去問をやりました。
一般財団法人 気象業務支援センターのホームページで過去問と解答例を無料でダウンロードできます。
その他、筆者は利用していませんが、過去問の解説を無料で閲覧できるようなサイトもあるようなのでそういったサイトも活用すると費用が抑えられてよいと思います。

今やり直すならこう勉強する
もし今もう一度ゼロから気象予報士試験に挑戦するとしたら、やることはもっとシンプルです。
まずは参考書を1シリーズに絞ります。
気象予報士試験対策の参考書は数多くありますが、試験合格に必要な知識という意味では大きな違いはありません。
あれこれ手を出して中途半端になるよりも、1つの教材を何度も繰り返し読む方が効率的です。
そして学科試験の勉強と並行して、早い段階から実技試験の問題にも触れます。
実際に受験して感じたのは、実技試験こそ経験値が重要だということでした。
学科の知識だけを先に完璧にしようとするよりも、早めに実技問題を見て試験の全体像を把握した方が効率は良いと思います。
また、過去問は早い段階から取り組んでもいいと思います。
特に、まったく知識のない内容のテキストをただ読み込むだけの作業は苦痛を伴う場合もありますので、そういった作業が苦手な方は、知識を覚えてから過去問を解くのではなく、過去問を解きながら必要な知識を覚えていく方が実践的だと感じます。
勉強時間100時間の内訳
正確に記録していたわけではありませんが、振り返るとおおよそ次のような配分だったと思います。
・参考書を読む 30時間程度
・実技演習 20時間程度
・過去問+実技シミュレーション 50時間程度
合計100時間程度
筆者の場合は実技試験対策に最も時間を使ったと思います。
学科試験は参考書を繰り返し読めばある程度対応できますが、実技試験は実際に問題を解いて慣れることが重要です。
そのため、実際の天気図を見ながら予想する練習を日常的に行っていました。
机に向かう勉強時間だけでなく、通勤中や日々の天気予報を見る時間も実技対策になっていたと思います。
失敗する勉強法
よくあるのは「参考書を買っただけで満足してしまうこと」です。
受験を思い立ってすぐに参考書を購入し、その後しばらく放置なんてことは経験のある人も少なくないはずです。
当然ですが、参考書は持っているだけでは何も身につきません。
また、複数の教材を集めて比較することにもあまり意味はないと思います。
気象予報士試験に必要な知識は限られているため、重要なのは教材の数ではなく反復回数です。
法改正などといった年度ごとに知識のアップデートが必要なタイプの試験ではありません。そのため、毎年新しい参考書を買い直す必要性は高くないと思います。
また実技試験は特別な才能が必要なのではなく、天気図を見て考える訓練をどれだけ繰り返したかが大切でした。
結局のところ、最短ルートは王道です。
参考書を1つに絞り、過去問を繰り返し解き、日々の天気予報で実技の感覚を鍛える。
これが筆者なりの結論です。
ちなみに筆者自身は、実際には参考書3冊だけで合格しました。
通信講座や高額な教材は利用していません。
受験料を除けば、勉強にかかった費用は参考書代程度です。
ただし、これから学習を始める方の参考になるよう、以下では定番の参考書や問題集も紹介します。
参考書の選び方
気象予報士試験の参考書を選ぶ際は、さまざまな要素を考慮する必要があります。
筆者が使用した教材は前述の通りですが、ここでは主な選び方のポイントを紹介します。
自分のレベルに合わせる
自分の学習レベルに合った参考書を探すこと
初学者の方には、図解や写真が多く、丁寧な解説のあるテキストがおすすめです。
一方、数学や物理に強い方は、数式を多く扱った専門書を選ぶと良いでしょう。
難しすぎる内容に四苦八苦するよりも、確実に理解を深められる参考書を活用することが合格への近道となります。
テキストと問題集の組み合わせ
テキストと問題集はできれば同じシリーズや出版社のものを使う
気象予報士試験対策には、理解を深めるテキストと、演習に適した問題集の両方が必要不可欠です。
テキストで知識を身につけ、問題集で知識の定着を図ることが望ましい学習サイクルといえるでしょう。
ただし、テキストと問題集はできれば同じシリーズや出版社のものを使うことをおすすめします。
そうすれば、内容の一貫性が保たれ、無駄なく学習を進められます。
効率的に学習する方法
参考書を1種類に絞って繰り返し勉強する
効率よく学習するためには、参考書を1種類に絞って繰り返し勉強するのがおすすめです。
たくさんの参考書があって迷うかもしれませんが、自分に合った1冊を選ぶと良いでしょう。
良質な参考書1冊をしっかりと繰り返し学習すれば、試験に合格するために必要な知識とスキルは十分に得られます。
複数の参考書を持つと、持っているだけで満足してしまったり、同じ内容を何度も勉強して時間を無駄にしてしまうことがあります。
そのため、自分のレベルに合った参考書を選ぶことが重要です。
勉強の進め方
適切な参考書が選べたら、次は効率的な勉強法を見つける番です。
ここでは、気象予報士試験の合格に向けた具体的な学習ステップを紹介します。
基礎から着実に
学習の第一歩は、気象に関する基礎知識の習得
気象予報士試験は広範囲にわたる知識が問われるため、しっかりと土台を作ることが大切になります。
小学生向けの天気の本から始めるのも一つの方法でしょう。
▼ こちらは子どもも読める天気の図鑑!
そして、基礎が固まったら、「一般気象学」や「百万人の天気教室」といった入門書で、本格的な学習に取りかかりましょう。
イラストや図解が豊富で、初心者にもわかりやすい構成となっています。
学科試験と実技試験に分ける
気象予報士試験は、学科試験と実技試験の2つに分かれています。
それぞれに対応した参考書を用意し、効果的な対策を立てることが重要です。
学科試験対策
一般知識編のテキスト・問題集で基礎固めと、専門知識編で気象学の理論を深く学ぶことが必要です。
実技試験対策
学科試験と実技試験では問われる知識が異なるため、その違いに応じた対策が必要不可欠です。
時間に余裕を持って、両方の試験に向けた準備を行いましょう。
過去問演習を繰り返す
特に実技試験は、問題のパターンや傾向を把握することが不可欠
気象予報士試験の合格には、過去問演習が最も重要な要素となります。
そのため、筆者は3年分行いましたが、可能な限り過去問を解いて傾向を掴むことをおすすめします。
また、気象予報士を目指す方々のブログなどで、過去問の解答例が公開されていることがあります。
自分の解答と比較しながら、より良い解き方を学んでいくのも効果的な方法です。
テキスト(入門編・初学者向け)
実際に筆者が用いたテキストを紹介します。
『気象予報士かんたん合格テキスト』
筆者も用いた王道のテキスト。シンプルでわかりやすくまとまっています。
ただし、理系分野が苦手な方や全くの初学者で心配な方は、下で紹介する初学者向けのテキストもおすすめです。
▼一般知識編▼
▼専門知識編▼
▼実技編▼
『一般気象学』
前述の通り入門書です。
気象学の「バイブル」とされる定番のテキストになります。
学科試験対策として気象学の基本的なことを学べる内容ですが、初学者には難しく感じるかもしれません。
『イラスト図解 よくわかる気象学』
上で紹介した『気象予報士かんたん合格テキスト』は、初学者にはやや難しく感じるところもあるでしょう。
そんな方には、こちらの方にはイラストが多く初心者にもわかりやすくまとまっています。
初学者・文系の方にもオススメ!
最初に手に取るテキストとしてとっつきやすい内容だと思います。
▼ 実技編より、マンガのページ です
▼一般知識▼
▼専門知識編▼
▼実技編▼
『ユーキャンの気象予報士 入門テキスト』
通信教育のユーキャンのシリーズ。
▼独学が不安な方はこちら▼
問題集&解説書
『気象予報士試験 精選問題集』2024年版
学科試験・実技試験の分野ごとに精選された問題について解説や対策などと合わせてまとまっています。
公式の過去問
実際の過去問は、気象予報士試験を行っている「一般財団法人 気象業務支援センター」の公式HPからも無料でダウンロードできます。ただし、解答例はついていますが解説はありません。
筆者の場合、特に上のような問題集は購入せず、こちらの過去問を数年分解いて問題演習をしました。
一問一答タイプ
『U-CANの気象予報士 これだけ!一問一答&要点まとめ』
通信教育のユーキャンのシリーズ。試験前に知識を整理するのに役に立つ一問一答形式です。
学科試験対策の○×問題630問と実技試験対策4題35問を収録しています。
▼独学が不安な方はこちら▼
まとめ
気象予報士試験は合格率だけを見ると非常に難関資格に見えます。
しかし実際には、受験資格がなく受験者層が幅広いことも合格率の低さに影響しており、決して一部の優秀な人しか合格できない試験ではありません。
筆者自身、天気に関しては初学でしたが、独学で学習を進め、実質4か月・約100時間の勉強で合格することができました。
勉強法として特別なことをしたわけではありません。
参考書は必要以上に買い込まず、1シリーズを繰り返し学習する。
過去問を繰り返し解く。
そして日々の天気図や天気予報を活用して実技試験の感覚を鍛える。
結局のところ、王道の勉強法が最も効率的だったと感じています。
これから気象予報士試験に挑戦する方の参考になれば幸いです。
焦らず一歩ずつ学習を積み重ねて、ぜひ合格を勝ち取ってください。
ドMの修行だと思って同じ参考書を何周もしてください(笑)