今回は「藤原の効果」について
藤原の効果
とっても簡単に言うと、「台風が2つ以上あったらその進路の予測はもう意味不明!」ということ。
科学が進歩した現代でも、台風がどのように動いていくかの予測は難しいです。
台風たった1つでもその予測は難しく、2つ以上になった場合は互いに複雑に作用しそれぞれの進路の予想はかなり難しくなります。
日本名ですが、英語では「Fujiwhara Effect」と呼び世界共通の考え方になっています。
藤原ってどなた?
世界共通の呼び名となっていますが、「藤原」とはどなたでしょうか?
日本には、天気に関して世界的に有名な方が2人いらっしゃいます。
それが、藤原咲平先生と藤田哲也先生です。
前者の藤原先生が提唱されたのが「藤原の効果」で、後者の藤田先生が考えられたのが「藤田スケール」と呼ばれる台風の強さを示すスケールです。「藤田スケール」については別ページで紹介します。
今回テーマの藤原先生は気象学者で、もともと中央気象台(今の気象庁)に所属していました。
ちなみに「Fujiwhara effect」と記載しましたが、これはスペルミスではなく本人のこだわりで「Fujiwhara」と表記していたようです。
6つの分類
「藤原の効果」は、相寄り型・時間待ち型・追従型・指向型・同行型・離反型と大きく6つに分類されます。
これらの「藤原の効果」が見られるようになる台風同士の距離は、大きさや強さにより異なりますが、約1000km以内とされています。
分類を見てわかる通り、台風同士が近寄ったり、追従・同行したり、離れていったりと…なんでもありです。
気象庁の定義
気象庁の「台風に関する用語」のページを見るとこのように記載されています。
2つ以上の台風が接近して存在する場合に、それらが互いの進路に影響を及ぼすこと。その結果、相対的に低気圧性の回転運動をするなど、特徴的な動きをする。
”気圧配置 台風に関する用語”, 気象庁公式HP
このように説明されていますが、台風以外の気圧の変化や偏西風などの影響を受けるため個々の事例で相互作用の程度を明確にできないことから、解説としての使用は控える用語に分類されていました。
要は、ますます予測なんて難しいよ!ということでしょうか。
台風が2つ以上発生しているときのテレビやニュースで見る情報は、なんだかよくわからないけどとりあえず予測してみました!という予報だと思って、大目に見てあげるのがよいかもしれません。
気象庁より正確な米軍の予報
実は、日本の気象庁よりも米軍の情報を確認した方が情報は正確だと言われます。
理由は単純で、気象の予測に関して、気象庁と比べて何倍もの大金を米軍は使っているからです。
日本の気象予報士は気象庁の情報を知らせるのが仕事なので、テレビ番組等で知ることはできません。
もちろん英語になりますが、より正確な情報を知りたい場合は米軍の情報も確認してみるのも手です。
科学の力ではわからないことがまだまだあります。